FC2ブログ
建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
「床下暖房」という選択
Nさん家は、基礎工事が概ね終わり、今日から現場は大工工事が始まる。
その前の工事として、先日に基礎部分の断熱材が貼られて、床下暖房という一般の人には聞き慣れない設備の準備が始まった。



床下暖房とは、床暖房とは全く異なる設備である。
床暖房は床の表面を暖める設備で、体を床に接してないと暖かさをあまり実感できない。暖房設備としてはサブ的な位置付けであり、局所的な使い勝手に適している。
床下暖房は、床下の空間を暖めて建物全体を暖めようといういう設備で、朝鮮半島や中国北東部のオンドルなどが該当する。

今回選択した設備は、1階の床下全面に電線が引き込まれたコンクリートスラブを築造し、深夜電力を利用して蓄熱し、暖められたコンクリートから1階の床面を輻射熱で暖められる。その床面からの輻射熱と同時に暖められた床下空間の空気が床下と1階床面との間に設けられたガラリを通して自然対流熱で1階の空間を暖め、更に、2階の空間を暖めるという暖房システムであり、比較的新しい設備である。
山形にあるエナーテックという会社がシステムを開発販売しているので、東北の寒冷地の方が採用が多く、2006年までの実績では約7000棟、そのうち関東(主に北関東)では約1000棟ある。

このシステム導入のためには、次世代省エネ基準を満たしている必要条件がある。
この省エネ基準は、エネルギーロスが極めて少ない住宅であるから、時代の要請にも合致している。しかし、高断熱化、高気密化にするためのコストが、これまでの省エネ住宅より1割ほど掛かる。

Nさんには、アトピー型小児ぜん息のお子さんがいて、誇りが少なく、温度差の無い環境が必要でした。
Nさんが、この次世代省エネ住宅で全館暖房、かつ自然素材を使った健康に暮らせる住まいを強く要望された所以である。



この床下暖房のメリット・デメリットを簡潔に紹介しておく。
■メリット
・全館暖房が実現できるので、温度のバリアフリー化が可能
・輻射熱利用なので、体にもやさしく快適性が高い
・他の床下暖房、全館暖房と比較してイニシャルコストが安い
・深夜電力利用により、ランニングコストがとても安い
 (Nさんの家では、冬期の平均月額電気料が3,000円くらい!を想定して
 いる)

・システムがとてもシンプルで、維持管理費も少なく、地震時や火災の心配
 も無い

・床暖房に比べて床仕上げ材の選択肢の制限は少ない。
 (Nさんの家では、工務店が自前で自然乾燥させた
無垢材の国産桧縁甲
 板・厚さ15mmを使う)
                                                              
■デメリット
・一度冷えるとすぐに暖まらないので蓄熱に時間が掛かる。
・きめ細かな温度設定ができず、関東あたりでは小春日和の様な暖かい日
 は、室温が上がり、窓を開けて冷やすこともあり得る

・システム上、2階の室温は17℃くらいなので、場合によっては補助暖房が
 必要になる



この寒さ厳しいおり、燃料代の高騰もバカにならない時勢である。
今後に住み替えを考えている読者諸氏も、高断熱・高気密住宅と暖房方法を考えてみることを勧めたい。

n_0201_02.jpg
工務店の倉庫で自然乾燥させている桧縁甲板厚さ15mmと階段段板厚さ30mm。双方とも節があるが国産無垢材である。
スポンサーサイト



コメント
この記事へのコメント
知らんかったです。
TAKEZOさん こんにちわ。
床下暖房ってのが有るんですねェ…なるほど、何となく仕組が分かりました。床下全体を《蓄熱槽》にしてる感じでしょうか?面白いですねぇ。
檜の無垢材かぁ!最近はトンと見掛けませんが有るトコには有るんですね!
私には、無縁の材料です。木工事やったの何時だっけナァ?
羨ましい限りッス!
2008/02/01(金) 18:46:50 | URL | SIN #-[ 編集]
床暖で満足していたら、そんな素敵なものがあったのですね。自然対流は床暖でも起こりうるのですが、床下暖房なら建物全体も暖めてくれるとなれば、冬場はどんなにか嬉しいものですね。

床下暖房とか24時間換気など新しい設備がどんどん出来て快適さは日進月歩ですね。
国産の桧無垢なんて贅沢ですね~いい香がするでしょう!
2008/02/02(土) 00:55:07 | URL | chiko #mQop/nM.[ 編集]
面白い暖房の仕方があるのですね。
室温の微調節ができないというのはちょっと辛いものがあるような気がするのですが、、、、それでも暖房にかかる電気代が3000円/月で済むのであれば検討の余地ありですね。
2008/02/06(水) 01:38:18 | URL | 房総族 #-[ 編集]
床下暖房はこれから増えていくはずです。
SINさん

セキスイハイムの阿部寛が出ているTVCMなんかはこの床下暖房です。
べらぼうにハイコストみたいですが…(T_T)

>檜の無垢材かぁ!最近はトンと見掛けませんが有るトコには有るんですね!

駄目ですよ、できるだけ国産材を使わないようにしないと。日本の森林が滅びちゃいます。そして杉花粉がいつまでも無くなりません。外国産材(合板含めて)を輸送するエネルギーロスと環境破壊も心配しましょう!(^^;


chikoさん

玄関やトイレ、脱衣なんかも暖かいのが、温度のバリアフリーにもなって花マルです!(^^)

>国産の桧無垢なんて贅沢ですね~いい香がするでしょう!

節が無い高級な材はめっぽう高いですが、節ありであればそんなに高くありません。床暖房用の輸入集成材の方がよっぽど高いはずです。
だいたい、Nさんの家は大手ハウスメーカーなんかよりもずっとロープライスです!(^_^)v


房総族さん

室温の微調整は、住む人が衣服でするとお考えください。
ちょっと暑ければ1枚脱ぐ、寒ければ1枚羽織る…そんな感じです。(^^)
室内の温風ヒーター何かだって、それほどのスペック無いですよね。だから馴れれば不便を感じないと思います。
2008/02/07(木) 21:24:21 | URL | takezo! #-[ 編集]
そんな事言ったって
TAKEZOさん!
そんな事言ったって、木工事無いッスモン!
木なんか使えないッスモン!
有ってもポストフォームだモン!
グヤジィィ~!
2008/02/08(金) 19:23:08 | URL | SIN #-[ 編集]
暖房
床下暖房なら、火災の心配が無さそうですね。 お金がかかりそうですが、火災にならない暖房を選びたいものです。
2009/10/14(水) 12:25:07 | URL | ポゾ #zaTBqBzo[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック