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建築家・飯沼竹一のブログです。暮らしや住まい、家や建築、街などを通して見聞きしたこと、日々感じたこと、考えたことなどを気儘に手記にしています。四方山話も含めて呑気に続けて行こうと思います。 ご意見ご感想などお願いします。
谷津の家がENGINE紙に掲載
新潮社のENGINEというクルマ雑誌があります。
昨年暮れに谷津の家の取材があり、同席させていただきました。
「家とガレージとクルマ」という取材内容でした。

施主のクルマ遍歴やライフスタイルを訪ね、この家のコンセプトや設計のポイントなどをライターの方が丁寧に建て主と私にインタビューしてくれてました。
撮影とインタビューで約4時間くらい。そのあと、施主家族と編集者、カメラマン、ライター交えてホームパーティーで盛り上がりました。

そして1月末にENGINE03号が発売になりました。
誌面にあるタイトルは「オープンカーのような家」。感激しました。
施主のクルマに対する思い、施主ご家族の日頃の暮らしぶり、この家の良さが饒舌に語られています。
またカメラマンが上手で、クルマやグッズ、人の配置から数センチで構成して撮影していました。
やはり建築専門のカメラマンとは違い予想しなかった美しい写真が掲載されていて驚きました。
同誌面上に「塔の家」も掲載されていて、これまたとても嬉しいサプライズでした。


ENGINE誌

ENGINE誌



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千葉、東京で住宅設計を行う建築設計事務所


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歳末の雑誌取材
昨年12月の28日に、谷津の家で雑誌の取材があり、同席してきました。
ENGINEという新潮社からでているクルマ中心のファッション雑誌です。

ガレージとクルマ2台のある暮らし、という様な内容で1月下旬に発売です。
どんな記事なるかとても楽しみです。

取材後はオーナー夫妻の好意で、編集、ライター、カメラマンさんと一緒にパーティになりました。
クルマ談義話が弾み、とても楽しいひと時でした。







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ヤマボウシ
谷津の家のライトコートには、株立ちのヤマボウシを植えました。

早いもので、もう8年も前になります。
竣工後2年くらいは元気よく育っていたのですが、4年過ぎたころから、葉の量が減り、5月に花も付けなくなりました。
いろいろと試したのですが、なかなか改善せずいよいよ枯れてしまうか、と言うような状況になり、
、施主から落葉せず手間のかからない樹種に植え替えたいと検討の依頼がありました。
枯らしてしまうには可愛そうで、また四季を感じられる樹木にこだわっていたので、土壌改良を提案しました。
アクアソイルという屋上緑化などに利用される工法です。
樹木を植え替えるよりも余計に費用が掛かりましたが、理解のある施主が快諾してくれました。
ちょうど2年前に施工し、昨年は害虫に苦しめられましたが、地元の植木屋さんの手助けもあって、今年見事に復活しました!!

五月晴れの青空に白い可憐な花と形の良い葉が映えます。
施主のO夫妻、イケガミさん、千葉植木造園さん、有難うございました。


谷津の家


谷津の家


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完成内覧会のご案内

「真砂の家」が来月に完成します。
お施主さんのご厚意により、内覧会を行います。

施工を請け負った建設会社と共同で完成内覧会を開きます。
ご興味ご関心のある方は是非見学ください。

■開催日時:6月6日(土) 10:00~16:00
         6月7日(日) 10:00~15:00
■場所   : 習志野市
■建築用途: 専用住宅
■主体構造:木造2階建て・在来工法
■敷地面積:185.4?(56.2坪)
■建築面積: 89.8?(27.2坪)
■延床面積:144.2?(43.7坪)※ガレージ26.6?含む
■高断熱・高気密住宅(次世代省エネ基準)

白を基調としたすっきり・暖かいデザインの住まいです。
大胆な空間構成と開放感溢れる2階ダイニングリビングとそれに繋がるルーフテラス。写真ではなかなか実感できないと思います。

床は桧の無垢材フローリング、壁は本漆喰塗りです。
構造設計は許容応力度計算を行い基礎、柱、梁、耐力壁、接合部などを検証し、耐震性能を高めました。
今後の天候により、外構工事の遅れが予想されますが、内部だけでも見応え十分な住まいになりました。


プライバシーなどを考慮して、両日ともに予約制です。
見学ご希望の方、ご質問のある方、下記までご連絡くださいるか、Websiteをご覧いただき、直接お電話いただいてもOKです。

アトリエ24一級建築士事務所
Websitehttp://www.atelier24.jp

株式会社ワコー・エンジニアリング
Website:  http://www.wako.e-arc.jp/

 

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 追加画像:6/1の現場状況

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6/2にようやく外部足場が外れました。

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「谷津の家」進捗状況


しばらくブログの更新がなく、「どうしました?」との問い合わせがボチボチ…(苦笑

特段理由があったわけではなく、ただ公私ともに多忙だったのと、以前から書こうと思っている話題についてまとめる気力が無かったのが正直のところです。

久しぶりの更新ですが前回のエントリーに続いて「谷津の家」の話題です。

仕上げ工事が佳境に入り、急ピッチで工事が進んでいます。

今月末の竣工でしたが、連休前後の天候不順で左官工事などが遅れ気味で、このまま行くと来月上旬の竣工になりそうです。

まだ確定していませんが、6月6、7日頃に内覧会を開催したいと思います。

来週には最終工程が出ると思いますので、詳細が決まり次第お知らせしたい考えています。

お施主さんと2年半を掛けてようやく完成に至ります。その熱意とこだわりを感じられる住まいです。是非ご覧いただきたいと思います。

 

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追掛け大栓継ぎ

この「谷津の家」は2台分のガレージが計画されています。
間口5m×奥行き5mの大きな空間で、その上には大きなルーフテラスとその回りを囲む高さ2.4m外壁が載ります。これを木造で造ることに私自身始めは躊躇していました。

これまででしたらガレージおよび1階部分が鉄骨か鉄筋コンクリート造、2階が木造という混構造という構法で計画したと思います。
しかし、2年前の建築基準法の改正で、規模が小さくても混構造については検査機関が確認申請を受け付けない時期がしばらくありました。またこの時期に鉄骨などの建材価格が高騰したことも影響を受けました。

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このような状況下、木造構法に詳しくその実績も豊富な構造事務所と一緒に検討することで、在来の木造でも十分可能と考え、在来工法での木造で設計すること決断しました。
ガレージ回りは柱と柱が間隔が大きいので、構造材、特に梁の断面は大きくなります。この設計では幅150×高さ360×長さ9.6mの梁をはじめ120×240×9.6m、150×360×7mなどの大きな寸法の材料を使うことになりました。

この家では許容応力度計算という鉄筋コンクリートや鉄骨造の構造設計と同様の手法を使っています。この設計手法を行うことは手間と時間が掛かりることもあり、木造住宅ではとても少ないのが現状です。しかしながら、この手法によって耐震性や耐久性が向上し、この家のような大きな空間を得ることができるのです。そして木造でつくることは鉄筋コンクリート造などでつくるより、経済的であり、環境負荷にも貢献できるのです。
私が今後も木造にこだわって行こうと考える所以です。

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さて、この「谷津の家」所在地は、周辺の道路が狭く、材料の搬入には計画段階から注意事項でした。ただ設計段階では、長ものを搬入した際に一番問題になる曲がり角の隅部分が駐車場だったので上記のような長い梁材でも搬入可能だと判断しました。
ところが、この家の工事が始まる1ヶ月前に、駐車場だった敷地に建売住宅が着工しました。あっという間に上棟し、梁材を旋回させるつもりだった駐車場の隅部分は建物によってスペースが無くなり、長ものの梁材が搬入できなくなりました。

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そこで施工業者から梁材を途中で継ぐ方法を打診されました。
構造事務所と協議し、応力があまり掛からない位置で、耐力のある継ぎ手にするよう要望し、最終的には今日の木造建築では見かけることの希な「追掛け大栓継ぎ」を採用したのです。
複雑な継ぎ手なので、機械による加工はできません。また加工できる技量の大工も少なくなりました。このイレギュラーによって工期が10日ほど遅れましたが、施工業者も大工も手際よくやってくれたと感謝しています。

 

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このような構造計画と施工技術によって、木造とは思えない空間構成が可能になりました。
竣工は5月末ですが、お施主さんと一緒に楽しみにしています。

構造設計:増田建築構造事務所
http://www.nishigaki-lumber.co.jp/himorogi/bun/10.htm

施工:ワコー・エンジアリング 
http://www.wako.e-arc.jp/

           

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木遣りで締めた上棟式


先々週の日曜日に「谷津の家」が上棟しました。
木造2階建ての戸建て住宅ですが、1階に2台分のガレージを設け、その上の2階レベルにルーフテラス、そしてそのテラスと一体的な利用ができるLDKを計画しました。
完成が今から待ち遠しい住まいです。

ガレージやLDKなどかなりスパン(柱と柱の距離)を飛ばしているので、梁の部材が大きく、また延床面積はさほど大きくないのですが、テラスやライトコートなどの部材もあり、全体的にボリュームが大きいので2日に掛けて建て方をしました。
有り難いことに風が強い日でしたが、晴天であり無事予定時刻に上棟に成りました。

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大工棟梁が棟木に幣束(へいそく)を立て破魔矢を飾り、建物の四方に酒・塩・米をまいて清め上棟の儀式を行いました。
この後御神酒で乾杯をして、お施主さんの挨拶があり、その後設計者、施工者の祝辞があり、宴会になりました。

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今回は、鳶頭に木遣り(きやり)を唄ってもらうことになっていました。
http://www.nihonhikeshihozonkai.org/kiyari/index.html
「一人じゃ木遣りはできねぇよ…」と言うことで、頭のお父さんに参加いただいて親子二代による見事な木遣りを聴くことができました。

最近の上棟式ではあまり木遣りを聴く機会がありません。
お施主さんにも大層喜んでいただいた様子で、3本締めで目出度くお開きとなりました。

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この「谷津の家」の工事状況などもこのブログで適宜紹介していきますので、請うご期待ください。

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寒中コンクリート
先日「谷津の家」の基礎部分のコンクリートの打設(流し込み)がありました。
ちょうど大寒の日になりましたが、例年のような厳しい寒さではなく、雨や雪の心配もなく恵まれた作業日になりました。




さて、この時期に建設現場において固まる前のコンクリート(以下「生コン」)の打設作業、あるいは工程を「寒中コンクリート」と言います。
生コンは-0.5~-2℃で凍結するとされています。凍結するのは生コンの成分の1つである水です。水が凍結して氷となり体積が膨張することで、コンクリートがもろくなり硬化した時の設計強度を満足できなくなります。

設計強度とは構造上必要なコンクリートの固さをいい、コンクリート打設後28日目(4週)の強度がこの設計強度を上回ることとします。 一般の木造住宅における基礎のコンクリートの設計強度は18N~21Nが一般的です。
コンクリートの強度はN(ニュートン)で表され、Nは重さの国際単位で、1N/mm2=0.1Kg/cm2。
18N/mm2とは、10cm角の柱で約18トンの重さに耐えられる強さを表します。
この強度に3Nを加えた強度が呼び(発注)強度になります。
「+3N」の部分は「品質基準強度」といって、建築基準法に定められた加算すべき強度です。
ちなみにこの3Nを知らない工務店や現場監督も多いのが実情です。

話を戻しますが、構造上必要となるコンクリートの強度を確保するために、冬季のコンクリートの打込みでは凍結を防止するとともに、計画的な養生でコンクリート強度を確保することが重要になります。
天候に注意し、低温が予想されそうなときはシートを全面に覆うとかの対応をします。関東地方でも、降雪などによって気温が著しく低下する場合は、簡易的な屋根を架け、ヒーターなどでシート内を暖めます。打設作業を延期することもあります。

そして、冬期では温度補正した生コンを打設します。
コンクリートは暑ければ早く強度が出て、寒ければ強度が出るのが遅いために、冬季では少し強度の高いコンクリートを打設することによって、28日目の強度が確実に出るようにする補正措置のことです。

住宅金融支援機構(前住宅公庫)の工事仕様書では、コンクリート打設から28日目までの予想平均気温が、10℃以上で24N/mm2、2℃以上~10℃未満で27N/mm2を推奨しています。

設計強度が出るまで待ってからその後の工事をしても良いのですが、それでは適切な工程管理ができないので、この温度補正をした生コンを使用することになります。
一般的な木造住宅の基礎工事で使用する生コンでは、この温度補正をしても増えるコストは1~2万円くらいのはずです。
ですから、この時期に18Nや21Nの生コンを打設する施工業者は要注意です。


さて、谷津の家のコンクリート打設ですが、その生コンの品質を確認するために、受入れ検査をしました。
検査項目については長くなるので割愛しますが、この手間を省くことはありません。
生コンの受入」参照ください。

私どもの事務所では、その日の1台目の生コン車から採取した生コンで検査を行ないます。
生コン車(コンクリートミキサー車)到着後、ただちに搬入試験を開始します。
この検査の結果をみて問題なしと判断した場合に限り、コンクリート打設(枠への流し込み)を認めます。

コンクリートの設計強度や砂、砂利、セメント、水などの配合計画については、事前のその内容を確認します。

今回の谷津の家では、構造計画によって24Nと決めました。
ですから発注した生コンは、24N(設計強度)+3N(品質基準強度)+6N(温度補正)=33Nでした。
セメント量が多く、水が少ないので、粘りけが多く現場サイドでは施工性から見て面倒な生コンです。
でも、事務所の設計や品質に対するの考え方を現場サイドに説明することで、監督さんや職人さんにも意味を理解してもらい快く仕事をしてもらえました。

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私どもと同じような設計事務所に監理を委託している場合は、建築主がこのコンクリートの品質について心配する必要はまずないはずです。

今回の話は「寒中」の場合でしたが、「暑中」ではまたその仕様、工法があります。
基礎のコンクリート工事だけとっても一定以上の品質を求めるだけでもかなりの知識と経験が必要です。
低価格のもので高品質のものは相反しますから本来は簡単なことではありません。特にオーダーメイドの住宅であればなおさら難しいのです。

現場任せ、下請け任せのハウスメーカーはかなり多いようですし、工務店レベルでここまでの品質管理を行っている所はまだ少数です。

ですから、建築主はこの配合計画書や受入検査のことを覚えておけば、現場でどのくらいの品質管理をしているか、見分けることが可能でしょう。
これから住宅を建てる方は参考にしてみてください。


オーダーメイドの住まいをあなたに
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師走の地鎮祭
先週土曜日に、新しい住宅物件の地鎮祭が、師走の晴天の中で行われました。

お施主さんとご家族と建設を請け負う工務店関係者、そして設計者の三者によるシンプルな祭事ですが、心を込めて工事の安全と素晴らしい住まいが無事できるよう祈願しました。



この「谷津の家」のお施主さんに、家の建替え相談をいただいたのがちょうど2年前の暮れでした。
当時お施主さん家族は、この敷地の近くの所有マンションにお住まいでした。
そして、当初はお施主さんがお母様を介護することも含めて二世帯住宅に建て替えたいとのご要望でした。

ところが、その建て替えを楽しみしていたお母様が、突然亡くなってしまいました。
当然のことながら、建替え計画は白紙になりました。
しかし、その半年後にお母様のご意志を継いで、お施主さんにとって実家であるこの地に住む決断をしたのです。

再度、私どもにご相談をいただいてから、約1年半にわたり、相当な時間を掛けて計画を進めてきました。
そしてようやく着工に至ったわけです。

とても嬉しくもあり、これからが楽しみであります。
お施主さんとご家族に喜んでいただける家を、是が非でも完成させたいと新たに誓いました。

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